Google Search Console との対話を自動化する。記事公開とサイトマップ送信の連動

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技術ブログを公開した直後、エンジニアが最初に行うのは「Google に新しい記事を知らせること」です。かつてなら Search Console の管理画面を開き、手動でサイトマップの再送信を行っていました。

この「公開後の最後の手間」をエンジニアリングで解消し、記事を書いてから Google への通知が終わるまでの流れを一本の線で繋ぐ仕組みを構築しました。

2024年に幕を閉じた PING サービスと現在の正攻法

かつて Google は、特定の URL を叩くだけでサイトマップの更新を通知できる「PING サービス」を提供していました。しかし、Google Search Central Blog で「サイトマップ PING エンドポイントの廃止」が発表されたのが 2023 年 6 月。その後 6 ヶ月の猶予を経て、2024 年の年明けとともにこのエンドポイントは完全に廃止されました。

廃止の背景には、認証なしで誰でも送れる PING がスパムに悪用され、検索エンジンのインデックス効率向上に寄与しなくなったという実態があります。

これに代わる「今の正解」が、今回導入した Search Console API (旧 Webmasters API)を活用した、認証付きの正式なサイトマップ送信です。

実装:Blogger と Search Console の認証を統合する

Blogger の記事公開と同時にサイトマップを送信するため、認証基盤を一つにまとめました。

以前の回で構築した Blogger API 投稿用の Python スクリプトをベースに、Google API のスコープを拡張。一つの認証トークンで、記事の書き込みと Search Console への通知という「特権的な操作」を連続して行えるようにしています。

スクリプト側では、Blogger API を通じて記事のステータスが LIVE(公開)になったことをトリガーに、以下の API 呼び出しを実行します。


# Search Console API を介してサイトマップの再読み込みをリクエスト
sc_service.sitemaps().submit(
    siteUrl='sc-domain:a3ro.cc', 
    feedpath='https://www.a3ro.cc/sitemap.xml'
).execute()

これにより、Blogger 標準のサイトマップ機能を活かしつつ、クローラーの巡回を能動的に促すことが可能になります。

執筆環境から「管理画面」を排除するワークフロー

この仕組みを組み込んだ後の執筆から公開までの流れは、すべてコードエディタ(VS Code)内で完結します。

  1. Markdown で執筆: VS Code 上で記事を書き、Nano Banana Pro(AI)を使ってその場で構成図を作成・配置します。
  2. 下書き Push: エディタ右上のカスタムボタンをクリック(内部で Python スクリプトが走り、画像の R2 同期とリンク解決を行い、Blogger に下書きとして反映)。
  3. 実機プレビュー: Blogger 上で実際の見た目を確認。
  4. 本番公開(Publish): 最終確認後、再びエディタ上のボタンを実行。記事が LIVE になり、その瞬間に Search Console API が叩かれ、Google へ通知が飛びます。

ブラウザのダッシュボードを往復し、手動で「サイトマップの再送信」を行うという摩擦が消えました。執筆者が行うべきは、エディタという「自分のコックピット」からすべての指示を出し、思考を放流することだけです。

道具を研ぎ続ける意味

「サイトマップを送るだけ」という数秒の作業であっても、それが毎回積み重なれば執筆の「重力」になります。

既存の公開フローの中に Google との対話を組み込むこと。それは、道具を自分の思考プロセスの速さに合わせて最適化していく作業です。記事が誕生した瞬間に検索インデックスへの旅が始まる、そんな重力ゼロの環境がまた一歩前進しました。


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